ペーチン24歳。
稼ぎの良いナース。

ひとつ上の姉 ユーちゃんと、夏休みを合わせて、東京へ遊びに行きました。

時は…1990年代!
20代のピチピチした私達!!

赤坂プリンスホテルに泊まり、東京タワーや、ナムコナンジャタウンに行ったり、美術館に行ったり、都会にウキウキ♪

鎌倉まで足を伸ばし、気分はもう
「日陰茶屋で~は♪お互い~に、声をひ・そめ・て・た~♪」よ!ルンルン♪

夜は。
「ユーちゃん!話題のオカマバーに行ってみようよ~!お願い!」
「ええ~っ」

その頃、時代はオカマバー♪
今のような綺麗なオネエばかりではなくて、オッサンみたいなオカマのショーが、楽しめる、そんな場所が東京にはあったんです。

今は、オネエ。
昔は、彼女達を、ミスターレディーとか、ニューハーフって呼んだのよ。

恐いもの見たさ。
女子でも楽しめる有名なオカマバーへ。

田舎者のふたり。
都会の人混み、キラキラのネオンと、広い道路と車に圧倒されながら。
歩き慣れないオシャレな格好をして、足も痛い。

ガイドブック片手に、やっとのことで、目的地ヘ辿り着きました。

素敵なお店の入り口は、地下一階。
階段を降りて。
黒服のお兄さんが、
「お席を御用意しますので、しばらくこちらでお待ちください」と言いました。

振り向いたユーちゃん!
なによ、そのビックリ顔!!

「ペ!ペーチン・・・お店出よ!」

何がおこったのか解らず、ユーちゃんの迫力に押されて、お店から出たペーチン。
もしかして、ユーちゃんったら、きらびやかなお店で、敷居が高くかんじちゃったのかしら?
私、お金は持ってるし、ガイドブックも見たから、心配いらないのにぃ♪

「ペーチン、鏡みて。」
手鏡を渡すユーちゃん。

手鏡に写った私は・・・
「な・なんじゃこりゃあ!!」

ペーチンの鼻の下から、口の回りが真っ黒。
志村けんのダイジョブだぁオジサン姿です。

大爆笑のユーちゃん!
「ふ・ふりむいたら、ペーチンの顔がこんなだったからぁ。もうビックリしたよ。これでは、さすがに入れないよ~!お店のお兄さん、よく笑わなかったよね。」

な・な・なぜ?
なぜに、こんな姿に??

掌を見ると真っ黒。
Oh No !!

歩いてくるうちに、私は、ガードレールを触っていたみたい。
真っ黒な汚れた都会のガードレール。
その手で、どうやら鼻を拭いたんですね。

可愛らしいミニスカ、お洒落なペーチン。
顔だけ、ダイジョブだぁの世界観。
ガビーンです。

その夜は、オカマバーへは戻らず、スイーツを買ってホテルに戻りました…。
みんな、あるあるよね?

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