ナースだったころ。

初めて勤めたのは、県立病院。
救急も受け入れる大きな総合病院でした。

看護師は、三交代のシフト。
ペーチンは、外科・脳外科病棟で、過酷な勤務に追われていました。
患者さんの数に対して、圧倒的な仕事量。
看護記録を書く暇もないほど、立ちっぱなしの忙しさです。

深夜勤。
誰も入院していない部屋から、ナースコール。
懐中電灯を照らしながら、見に行くと。
だーれもいない。

よくあることです。
誰もいないベッドからのナースコール。
ナースなら誰でも経験していませんか?

忙しいから、そんなことに構ってはいられません。
生きてる患者さまのケアが優先!

ベッドの下にも、誰もいないことを確認したら、速やかに消灯し、詰所に戻ります。

何度も。
何度も同じ部屋から、ナースコール。
もう、ペーチンは、接触不良だと判断。他の部屋の患者さまにも迷惑だから、ナースコールを元線から外しました。

合勤の先輩にも、相談。
ペーチン
「先輩!この忙しいのに、しょっちゅうナースコールが鳴るんですよ!誰もいないのに。」

先輩
「わっかる~!あの部屋、鳴るよねぇ。」

当直で呼ばれていたドクター
「うん。あのベッドの下から、モジャモジャと長い髪の毛が出ているの見えるよね。」

「えーっ!先生、見えちゃう人なんですか~?!」

ドクター 
「そうなんだよ。さっきもさぁ、廊下の上の小窓があるだろ、あそこから、女の人が覗いてるわけさ。でも、反対側からは足場が無いから、登れない窓 なんだよなぁ。」

ナース
「 忙しいのに、迷惑ですよね!!! 」


輸液ポンプに、ハートモニターの音。
急変する患者さま、緊急オペ。
鳴り響くナースコール。
定時の体位交換にオムツ交換に。
真夜中だって、忙しい私達。

余裕がないと、心霊現象も、しっかり怖がる暇がないんですね。